原動力となる燃料

原動力となる燃料

燃料電池の歴史

燃料電池車について話をしてきたが、少し振り返ってみると燃料電池がどのようにしてその歴史を築き上げてきたのかという経歴が気になるところ。なのでちょっとその辺のところを少し紐解いてみよう。

燃料電池というものが出来上がったのは今からおよそ180年ほど前まで遡る。ギリギリ産業革命期よりも前となる時代となっていますが、この頃はすでにヨーロッパ地方では科学技術が普及していたこともあって、物珍しいという時期でもないでしょう。燃料電池を発見したのは当時の科学者、ここでは一先ずAとしておこう。実名を取り上げて書くのが面倒くさいというわけではないのであしからず、燃料電池が発見される期限となったのは、電極に白金をつないで電解質に希硫酸を使用することで水素と酸素を取り出し、この電力を用いて水を電気分解することに成功したことから始まります。このような身近なものから電気分解の実現させ、後に現代にまで引き継がれる技術へと進化したと思うと人間の底力とは末恐ろしいものだと感じる。

しかし当時はまだ自動車や蒸気機関車といったものが誕生するよりも少し前だったため、実用化という意味ではちょっと後になる。ただ燃料電池の存在はその後に誕生した熱機関によって作動する発電機が登場したため、効率を優先する機運に押し負けて時代の裏側へと押しやられてしまった。

燃料電池を発見した瞬間こそ注目を集めたが、電気の大量発生させる発電機の前では目立つ要素は少ないと感じられてしまったのはしょうがない。この頃はとにかく最新技術を発見し、生活へと役立てる方向で活かしながらも、技術革新を最優先して人類史に残るだけの発達が先決された。Aの発見はその後120年ほどの間ほぼ封印された状態になってしまうが、再び表舞台に這い上がってくるのだった。

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終戦後、燃料電池の価値が見直される

燃料電池は近代以前に発見されたが、当時の流れから颯爽と登場しながらも瞬く間に退場させられた残念過ぎる存在となってしまった。しかしその真価は潰えたわけではなく、むしろ眠り続けていたと言える状況にあった。その価値を見いだされたのが世界大戦が終戦してから10年後のこと、当時の化学者によってスルホ基で修飾されたスチレンによるイオン交換膜を電解質として用いら改良型燃料電池の開発に成功する。この開発がきっかけとなって問題だった白金の使用する量も減らすことに成功し、運用可能な燃料電池にすることが出来た。

その後の実例として、当時進行中でもあったアメリカ航空宇宙局のジェミニ宇宙計画にて採用される。これによって燃料電池と呼ばれるものが業界問わず、世界で注目をあつめることとなっていくのです。それから様々な研究者により燃料電池の改良が行われていたが、とりわけ注目したいのは1987年のカナダにおける研究成果だ。

二度目のブレイク

燃料電池の歴史は前途多難だ、ジェミニ宇宙計画に採用されて注目を集めたものの中々隆盛とまではいかなかった。ただそれでも研究は進められてはいたが、決して大掛かりなものではなかったこともあって世間の関心から外れてしまう。ただそれもカナダで研究されていた、フッ素系樹脂を電解質幕を用いて固体高分子系燃料電池を開発することに成功した。この開発によって電解質幕の耐久性が非常の優れている点が注目され、燃料電池の価値が再度見直されるようになったのです。

その後はアメリカ防総省などが様々な液体炭化水素によって動く燃料電池に注目するなどして、燃料電池という発見が決して無駄ではなかったことを証明したのです。こうした展開は日本も例外ではない事例が存在している。

携帯電話にも

日本で燃料電池といえば、比較的新しい話がトヨタが試作品として創りだした自動車だ。しかし実感として湧くか否かという点を考慮すると中々難しいはず、なのでもう少しわかりやすく例としてあげると、燃料電池で馴染み深いのは携帯電話の電池だ。はっと閃く人もいるだろう、何だかんだで燃料電池が重宝しており、一般的な人々もその恩恵を受けているのです。こうしてみると携帯機器向けに開発された燃料電池がなかったらとは考えられない。

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当時は先駆すぎた?

こうして歴史的に振り返ってみると、燃料電池が発見された180年前ではまだその利便性が理解できない時代だったのかもしれない。今では持ち運びができる、いわばコンパクトな機器開発が主流となっている時代だからこそ、運用するにあたっては電池という存在が一番重宝された。発見されたばかりの頃は、そもそも小型化にするという発想はあっても出来るだけの技術がまだ確立されていなかったことも関係しているのだろう。

燃料電池が出来て感謝すべきは当時の人々ではなく、今を生きる現代人全てがかの発見した化学者に対して褒め称えなくてはならないのかもしれませんね。

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